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熱海の温泉付き物件を選ぶ際にチェックしておくべきことと気をつけるべきこと

 理想の温泉ライフを満喫するために

 

近年、移住先として人気が高まっている静岡県・熱海市。

豊かな自然や都市部へのアクセスの良さも魅力的ですが、なんといっても気になるのは

温泉でしょう。

旧くから温泉リゾートとして知られる熱海には、多くの源泉から良質な湯が湧き出ており、

多数の旅館やホテルで温泉を楽しむことができます。そればかりか、

ほとんどのリゾートマンションが温泉を引き込んでおり、共用の大浴場でゆったりと

お湯に浸かることが可能。

また、物件によっては別荘や自宅に温泉を引き込むこともできます。熱海に移住すれば、

毎日温泉に浸かるという夢のような暮らしを送ることができるのです。しかし、

充実した温泉ライフを楽しむには、

物件の温泉施設の規模や形態、利用状況などを事前に把握しておくことがベター。

想像と違ったり、

期待はずれだったりすることがないように、しっかりチェックしておきたいものです。

そこで今回の記事では、筆者の経験も踏まえながら、熱海の温泉付き物件を購入する

前に気をつけたいポイントをご紹介していきます。

 

 

保温効果の高い塩化物泉が熱海温泉の特徴

 

温泉付き物件について解説する前に、まずは熱海の温泉の泉質について簡単に触れておきましょう。

熱海には400本を超える源泉がありますが、その多くが無色透明の塩化物泉。

舐めてみるとほんのりとしょっぱさを感じます。塩化物泉は、塩分が皮膚表面をコーティングするため、

保温効果が長続きすると言われています。海に近い源泉は海水が混入しているため塩化物泉が多く、

山側にある源泉は硫酸塩を多く含む硫酸塩泉が多いなど、エリアによって線質が異なるのも特徴です。

湯量は豊富で、源泉ごとに異なりますが、40℃後半から90℃程度の高温の温泉が湧出しています。

 

温泉付き物件を選ぶ際にチェックすべきこと

 

それでは、本題に入りましょう。物件を選ぶ際、生活の便や景観より、

とにかく温泉を重視したいという人もいるでしょう。であれば、

温泉ファーストで物件探しをしてみるのも1つの手です。

 

共用の大浴場もあれば、自室に温泉を引ける場合もある

 

旅館やホテルと同様に、温泉付き物件も物件ごとに温泉の泉質や形態が異なります。

そのため、内見する際に自分の理想とマッチした物件をしっかり見定めることをおすすめします。

まず、チェックしておきたいのが、温泉の形態です。多くのリゾートマンションには、

共用の大浴場が備わっており、広々とした湯船で足を伸ばしてゆっくり

温泉に浸かることができます。また、物件によっては自室に個別温泉が引かれていることもあります。

プライベートな空間で気ままに温泉を楽しみたい人には最適でしょう。

別荘地の戸建物件にも温泉を引き込めますが、リゾートマンションと異なり、

初期費用がかさむケースが多いです。それについては後述しましょう。

 

施設の規模や充実度も気になるところ

 

温泉の形態だけでなく、規模や作りもチェックしておきたいポイントです。

リゾートマンションでは、築年数やグレードによって設備の充実度合いが様々に異なります。

複数の浴槽があり、露天風呂や貸切の家族風呂を備えている物件もあれば、

こじんまりした浴槽が1つだけという物件もあります。

また、岩風呂やヒノキ風呂など贅沢な作りの浴槽を備えていたり、

オーシャンビューの絶景を望みながら温泉に浸かれる物件もあります。

 

リゾートマンションを選ぶなら、付帯施設についても調べておいた方がいいでしょう。

サウナを備えている物件もありますし、湯上がりにゆっくり過ごせるリラクゼーションルーム、

トレーニング機器が置かれたジムスペース、友人・知人を招いて楽しめる

パーティールームやカラオケルームに麻雀部屋、そしてプールなど、

普通のマンションには無いエンターテイメント性の高い施設が備わっているのも

リゾートマンションの特徴です。

自分の理想とするライフスタイルに合った施設を備えた物件を選べば、

より充実したリゾートライフを送ることができるでしょう。

 

温泉にこだわるなら泉質も要チェック

 

温泉に徹底的にこだわるなら、泉質も調べておきたいものです。

先ほど書いたように泉質は地域や源泉によって異なります。

リゾートマンションを含め、温泉を有する施設には、

法律により温泉分析書の掲示が義務付けられています。

これには、源泉名や泉質、温度や湧出量、成分表、適応症・禁忌症などが記載されています。

通常、脱衣所などに掲示されているため、内見の時にチェックできますし、

不動産会社から情報をもらうこともできるはずです。

また、源泉掛け流しの温泉もあれば、循環ろ過をしている温泉、源泉の温度や気温に応じて

加水・加温をしている温泉もあります。そうした情報も開示されているので、

事前に調べておきましょう。

 

 

温泉を利用するにあたって気をつけるべきこと

 

温泉付き物件でも温泉に入るのはタダではない

 

温泉三昧のリゾートライフに夢が広がりますが、気をつけておきたいこともあります。

まず、考慮に入れておくべきことが、お金の問題です。

リゾートマンションでも別荘でも、温泉はタダではありません。

利用するには基本的に温泉利用料がかかります。

リゾートマンションの場合は、温泉利用料が管理費に組み込まれていることもありますし、

別途支払うこともあります。筆者が住んでいたマンションでは、

温泉利用料が管理費に組み込まれていましたが、

金額は3万円近くでした。都心のマンションに比べてもかなり割高です。

温泉施設や付帯施設が充実している物件では、5万円を超えるなど

さらに高額になることもあります。

筆者は定住して毎日温泉を利用していたため、割り切って支払っていましたが、

別荘利用で月に数回しか使わないのでしたら、そのお金で旅館やホテルに泊まった方が

むしろお得かもしれません。

 

別荘に温泉を引く場合は高額な費用が必要

 

また、別荘など戸建で温泉を楽しもうと思うとさらに費用がかかります。

温泉を利用するには、最初に温泉権利金という契約金を支払う必要がありますが、

150万円から300万円程度と高額です。また、有効期限が終わり、

契約を更新する際には数十万円程度の更新料がかかります。

さらに、温泉権利金とは別に月々の温泉使用量を支払う必要もあります。

更地に新しく家を建てるとなると、温泉の引き込み工事の費用もかかります。

さらに、定住ではなく別荘利用の場合、日本で唯一、熱海だけで徴収されている

別荘税もかかってきます。

せっかく別荘として安い物件を手に入れても、費用がかさむことから温泉を解約してしまったり、

物件を手放してしまう人も少なくありません。そうした点もよく考慮したうえで、

温泉付き物件を手に入れるようにしましょう。

 

温泉の利用時間や混雑具合が快適さを左右

 

次に気をつけたいのが、温泉の利用時間です。

リゾートマンションの場合は、物件ごとに利用できる時間が異なります。

清掃時間以外、24時間365日利用可能な物件もあれば、

早朝は6時から、深夜は24時までといった具合に入浴可能時間が

決められていることもあります。

外で食事をして帰って、夜中にゆっくり温泉に浸かりたいと思っても、

時間外だと使えないことがあるので、規約などに目を通して、

利用時間を事前にチェックしておきましょう。

 

見落としがちなのが、温泉の混み具合です。

戸数が多いリゾートマンションでは、早朝や夕方、食後といった時間に

どうしても入浴する人が集中し、混雑することがあります。

実際、筆者が住んでいたマンションにも、戸数が少ない方が温泉が空いていて快適だ

という理由で別の物件から引っ越してきた人がいました。

夏休みや年末年始など、宿泊する別荘利用者が増えるとさらに混雑しがちです。

ゆったりと温泉を楽しみたいなら、その辺の情報収集も欠かせません。

 

マナーを守って気持ち良く温泉に浸かりましょう

 

最後に、リゾートマンションで自他ともに気をつけるべきことが、

マナーの問題です。大浴場は共用部分です。

利用者同士が互いに気配りしながら使わないとトラブルの元になります。

実際、筆者が住んでいた物件でも、身体を洗わずに浴槽に浸かる、

タオルを浴槽に浸ける、桶で浴槽の湯をかぶって撒き散らす、

浴槽の中で歯を磨くなど、周囲に不快感を与える利用者を目にしたことが

少なくありません。

定住者同志だと顔見知りにもなるので、周りに配慮しながら

利用する人が多いですが、

別荘利用者や会社の保養所として宿泊している人は、

いい歳をして旅の恥はかき捨てと言わんばかりに、

酔っ払って大騒ぎしながらお湯を撒き散らしていることもあります。

私も何度か注意したことがありますが、こうしたマナーの悪さは理事会も

巻き込んだトラブルに発展することもあります。

大浴場をあくまで公共の場と捉え、

お互い気持ち良く温泉に浸かれるように、

節度のある使い方を心がけたいものです。

 

以上のように、熱海の温泉付きのリゾート物件には、

普通の物件と異なり、チェックしておくべきポイントや

気をつけるべきことがいくつかあります。

そこを押さえたうえで、条件に合った物件に出会えれば、

理想の温泉ライフを送ることができるはずです。